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桜花(おうか)は、日本海軍が太平洋戦争中に開発した特殊滑空機。特攻兵器として開発され、実戦に投入された。 == 特徴 == 「桜花」は機首部に大型の徹甲爆弾を搭載した小型の航空特攻兵器で、母機に吊るされて目標付近で分離し発射される。その後は搭乗員が誘導して目標に体当たりさせる。一一型では母機からの切り離し後に固体燃料ロケットを作動させて加速、ロケットの停止後は加速の勢いで滑空して敵の防空網を突破、敵艦に体当たりを行うよう設計されていたが、航続距離が短く母機を目標に接近させなくてはならないため犠牲が大きく、二二型以降ではモータージェットでの巡航に設計が変更されている。日本海軍では本土決戦への有力な兵器と見なし、陸上基地からカタパルトで発進させることができる四三乙型などの大量配備を図ろうとしていた。 秘匿のため航空機に自然名を付けるという発想から航空本部伊東裕満中佐によって「桜花」と命名された〔加藤浩『神雷部隊始末記』p70『海軍神雷部隊』戦友会編〕。初戦果を報じた1945年5月28日の新聞では、ロケット機「神雷」と呼称された〔御田重宝『特攻』講談社401頁〕。開発段階では「○大(マルダイ)部品」(○の中に「大」の字)とも呼ばれた(マルの中に「大」の文字)。連合国側からは、自殺を禁じているキリスト教的な価値観により、自殺(攻撃)を行う「愚か者」の機体との意味合いで、英語の「Fool」の和訳「馬鹿」にちなんだBaka Bomb(単にBakaとも)というコードネームで呼ばれていた〔加藤浩 『神雷部隊始末記』P.233。Edward P. Stafford, ''Little Ship, Big War'', New York: Jove, 1985, pp. 253 & 282, ISBN 0515084182, .Robert C. Mikesh, "Baka", ''Japanese Aircraft: Code Names & Designations'', Atglen PA: Schiffer, 1993, ISBN 0887404472.〕。 終戦までに11型が製造され755機生産された〔戦史叢書88海軍軍戦備 (2) 開戦以後 5 - 6頁〕。桜花で55名が特攻して戦死した〔戦友会編『海軍神雷部隊』p45〕。専門に開発され実用化された航空特攻兵器としては世界唯一の存在と言われる〔特攻最後の証言制作委員会『特攻 最後の証言』アスペクト12頁〕。 桜花を搭載した一式陸攻は桜花の重量により速度が低速となり運動性も大きく損なわれる為、第1回目の桜花攻撃では、アメリカ艦隊の遥か手前で、アメリカ軍戦闘機に母機の一式陸攻が全滅させられ、桜花を射出することもできなかった〔牧野育雄『最終決戦兵器「秋水」設計者の回想―未発表資料により解明する究極 のメカニズム』光人社p183-184〕。その後、沖縄にて桜花を鹵獲し徹底して調査したアメリカ軍は、桜花が射出されるとその高速の為に迎撃が困難であると分析し大きな脅威と認識した為、射出前の母機となる双発機を最優先攻撃目標として攻撃するように全軍に徹底した〔"Anti-Suicide Action Summary"UNITED STATES FLEET HEADQUARTERS OF THE COMMANDER IN CHIEF NAVY DEPARTMENT WASHINGTON 25, D. C. 31 August 1945 〕。その為、母機の一式陸攻の多くが撃墜され未帰還率が高くなった〔牧野育雄『最終決戦兵器「秋水」設計者の回想―未発表資料により解明する究極 のメカニズム』光人社p183〕。アメリカ軍の警戒が厳重な中で、桜花は射程距離が限られており、母機が十分な護衛機無しで投下地点となる目標の近距離まで到達する必要がある為に、多数のアメリカの迎撃戦闘機を鈍重な爆撃機で突破しなければならない状況では、桜花を使用した攻撃が成功する確率は低かった。その為、桜花母機が最初に接触する敵機動部隊の外周に配置されたピケットラインの駆逐艦に対し攻撃するケースが多くなり、戦果は駆逐艦に集中する事となった〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「桜花 (航空機)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Yokosuka MXY7 Ohka 」があります。 スポンサード リンク
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